イーサリアム、グラムステルダムのフーディ適用を延期 新日程は未定

27日午前2時42分予定だったフーディへの適用を延期、新日程は未定
EIP-8037のガス計算変更が既存コントラクトの安全性の前提を崩しうると指摘
12月1・8・9日のメインネット候補日も決定を保留、ETH保有者の対応は不要
イーサリアム財団(EF)のプロトコルチームは10月22日、公式ブログで、次期アップグレード「グラムステルダム(Glamsterdam)」の2番目のパブリックテストネット「フーディ(Hoodi)」への適用を延期したと明らかにした。適用は韓国時間27日午前2時42分48秒(エポック132,352)に予定されていたが、新たな日程はまだ決まっていない。新たなステート生成コストのルール(EIP-8037)が、すでにメインネットで稼働するスマートコントラクトとどう作用するかを詳しく調べるためだ。
- 最初のパブリックテストネット「セポリア」にグラムステルダムを適用
- セキュリティ監査企業チェーンセキュリティ、EIP-8037・EIP-8038が既存コントラクトのガス計算の前提を崩しうるとの分析を公開
- 財団、フーディ適用を27日午前2時42分と告知
- セキュリティ研究者pcaversaccio氏、開発者会議の議題ページに「深刻なセキュリティリスク」を議論すべきとの意見を投稿
- 実行レイヤーのコア開発者会議(ACDE #248)でフーディへの適用中止を決定
- フーディの公式設定リポジトリからグラムステルダムの日程を削除
消えたのは日程だけ、フーディのブロック履歴はそのまま
財団によると、今回の延期で実行レイヤーのアップグレード(アムステルダム)とコンセンサスレイヤーのアップグレード(グロアス)の適用時点がいずれも削除された。同じエポックでフーディのブロックガス上限を2億に引き上げる予定も取り消された。ガス上限は1つのブロックに収められる計算量の上限だ。財団は「将来のアップグレードの設定を戻すだけで、フーディのチェーン履歴を巻き戻すものではない」と説明した。
フーディのノードやバリデーターの運営者は、26日(UTC)より前に実行・コンセンサス両レイヤーのクライアントを延期が反映されたバージョンに更新する必要がある。告知時点で財団の表に載ったのはLodestar 1.50.1、Besu 26.10.1、Ethrex 30.0.1-rc.2(プレリリース)、Nethermind 2.2.1で、go-ethereum・Lighthouse・Prysmなどは空欄だ。財団は、16日の告知に載せたクライアントのバージョン表を今回の延期が反映されたものとみなさないよう呼びかけた。
失敗した呼び出しの後、使ったガスが戻ってくる
問題となったEIP-8037は、新しいアカウントやストレージを作るコスト(ステート生成ガス)を通常の実行ガスと切り離し、別枠(ステートガスリザーバー)から支払う仕組みだ。チェーンセキュリティの分析によると、この構造では別のコントラクトを呼び出して失敗した際、すでに使ったガスの一部が補充されることがある。多くのコントラクトはこれまで「ガス不足で呼び出しが失敗すれば残りのガスもほとんどなく、取引全体が巻き戻される」という前提に頼ってきたが、この前提が崩れるという。
その結果、攻撃者がわざとガスを少なく渡して正常な処理を失敗させ、その失敗を「恒久的な失敗」として記録させることができるとチェーンセキュリティは説明した。逆に、以前は十分だったガス予算が足りなくなる場合もある。リザーバーが尽きた状態で空のストレージスロットに初めて書き込むと実行ガスは110,020かかる。現行ルール(Osaka)では22,100だ。
"The fundamental 'broken' thing is that gasleft() can increase."(根本的に「壊れている」のは、gasleft()が増えうる点だ)
pcaversaccio氏、ACDE #248議題への意見
同氏は、影響を受けるプロトコルへの通知作業を進めていると記した。
12月のメインネット候補日も白紙に
会議の議題にはメインネット適用の候補日として12月1日・8日・9日が挙がっており、フーディが順調なら来週のコンセンサスレイヤー会議(ACDC)で日程を決める予定だった。イーサリアム・マジシャンズのフォーラムに掲載された会議要約によると、チェーンセキュリティは会議で主要なDeFiプロジェクト13件が影響を受けると述べ、該当プロジェクトと非公開で調整している。開発者は12月までに問題を修正する案、現行の仕様のままメインネットだけを延期する案、仕様を変更する案を議論し、まず影響範囲を分析することにした。
財団は今回の告知はメインネットの日程を決めるものではなく、メインネットの利用者やETH保有者が対応すべきことはないとした。前回のアップグレード「フサカ」は2025年12月4日(韓国時間)にメインネットに適用された。
アップビットのETHは321万3000ウォン、キムチプレミアム0.8%
韓国時間23日午後3時34分時点で、ETHはアップビットとビッサムで321万3000ウォン、バイナンスで2,406ドルで取引された。アップビットの価格はウォン換算したバイナンス価格を約0.8%上回った(キムチプレミアム:韓国の取引所価格と海外価格の差)。バイナンスのETH無期限先物の資金調達率は0.0079%で、ロングがショートにわずかなコストを支払う状態だった。