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米上院にADAPT法案 ステーブルコイン決済と10ドル以下の手数料を非課税に

米上院にADAPT法案 ステーブルコイン決済と10ドル以下の手数料を非課税に

デインズ上院議員が9月30日にADAPT法を提出、共同提出者は3人

規制対象のドル建てステーブルコイン決済と1件10ドル以下の手数料は損益を認識せず

ウォッシュセール・みなし売却規則を暗号資産に適用、大半は2027年課税年度から

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米共和党のスティーブ・デインズ上院議員(モンタナ州)は9月30日(現地時間)、デジタル資産の税制を改める「ADAPT法」(Aligning Digital Assets with Principles of Taxation Act)を提出し、自身のXで条文ごとの要約を公開した。ドル建てステーブルコインでコーヒー1杯を買っても損益を計算して申告しなければならない現行ルールを改める内容だ。共同提出者はティム・スコット、シンシア・ルミス、バーニー・モレノの各上院議員。

"Digital assets have moved into the mainstream, but the tax code hasn’t kept up."

スティーブ・デインズ米上院議員

デインズ氏は、同法案でステーブルコイン、ネットワーク手数料、ステーキング、貸借のルールを明確にし、ウォッシュセール規則とみなし売却規則をデジタル資産にも適用するとした。

10ドル以下非課税の取引手数料(1件当たり)
5000件年間取引がこれを超えると対象外
5億ドル広く取引される資産の基準
2027年大半の条項が適用される課税年度

コーヒー代の損益計算が不要に

デインズ氏が公開した要約によると、現行法ではドル建てステーブルコインで買い物をしても課税対象の取引となり、損益が1セント未満でも記録・申告が必要になる。法案第2条は、ジーニアス法(GENIUS Act、米国のステーブルコイン法)の規制を受け、1ドルとのペッグを維持するドル建てステーブルコインで商品やサービスを購入した場合、損益を認識しないと定めた。こうした取引はブローカーの情報報告義務からも外れる。ただし対象は商品・サービスの購入に限られ、トレーダーやディーラーの取引は除かれる。

暗号資産で支払う手数料も見直す。第11条は、ガス代などのネットワーク手数料を含む取引手数料が1件当たり10ドル以下であれば、手数料に使った暗号資産の損益を認識せず、ブローカーの報告負担も軽くする。トレーダー、ディーラー、バリデーター(検証者)、年間5000件を超えて取引する利用者、この規定を狙って分割した取引は対象外とした。

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損切り直後の買い戻しによる節税は封じる

優遇措置ばかりではない。第7条は株式に適用されてきたウォッシュセール規則をデジタル資産にも適用する。損失を出して売却した直後に買い戻し、税控除だけを得る手法を防ぐ規則だ。経済的に同等のトークン化資産やブリッジ資産も実質的に同一の資産とみなす。規制対象のステーブルコイン、ステーキング・マイニング報酬、時価評価ポジションは例外で、法施行後の取引にのみ適用される。

第9条は、空売りなど反対のポジションで利益を事実上確定させながら課税だけを先送りする取引に、みなし売却(constructive sale)規則を適用する。規制対象のステーブルコインは除かれ、施行前に結んだ取引は保護される。第3条は、証券・商品のディーラーと同様に、デジタル資産のディーラーやトレーダーも時価評価会計を選べるようにした。

ETFのステーキングからDAOの移転まで

ステーキング関連の条項も複数ある。第8条は、米証券取引委員会(SEC)の規制を受ける上場信託が、単一のプルーフ・オブ・ステーク(PoS)資産を外部事業者を通じてステーキングしても、受動的投資信託としての税務上の地位を失わないと明文化した。第4条はステーキング・マイニング所得の源泉を受取人の居住地で判断し、米国人は米国源泉、外国人は外国源泉とする。第12条は年金基金、大学基金、財団、個人退職口座(IRA)の受動的ステーキング所得を非関連事業所得税の対象から外した。

第14条は、分散型自律組織(DAO)のために海外に設立された財団が米国法人へ移る方法について、財務省に12カ月以内に指針を出すよう求めた。第15条は時価総額・流動性5億ドルを基準に「広く取引されるデジタル資産」を定義し、第10条はこうした資産を寄付する際に適格な鑑定評価を不要とした。

下院委員会通過から2週間で上院案

米下院歳入委員会は9月16日、「デジタル資産税確実性法」(H.R. 10357)を可決していた。同委員会はプレスリリースで、法案にウォッシュセール・みなし売却規則の適用、マイニング・ステーキング課税の明確化、デジタル資産の自主申告プログラムなどを盛り込んだと説明した。業界団体クリプト・カウンシル・フォー・イノベーション(CCI)によると、委員会の採決は38対5で、下院本会議での採決はまだ行われていない。

CCIは10月2日の投稿で、ADAPT法の提出により上院でも同じ流れの法案が動き出したとし、「デジタル資産税制改革が年末の立法パッケージに盛り込まれる道が開けた」と述べた。上院案は今後、財政委員会の審査を経る必要がある。法案がそのまま成立すれば、大半の条項は2026年12月31日より後の課税年度・取引から、ウォッシュセール、みなし売却、ステーキング・マイニング所得の源泉、貸借の各条項は法施行後から適用される。

本記事は公開された発表・資料をもとにまとめたもので、投資を勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。