クリプトドットコムの予測市場「OG」、ミズーリ州を相手取り連邦地裁に提訴

OG運営のNADEX、16日にミズーリ州西部連邦地裁へ確認判決と恒久的差し止めを請求
ミズーリ州は9月に6社へ停止命令、免許・10%課税・21歳未満の排除を要求
同日ノビグも提訴、カルシの第8巡回区控訴審は書面提出が12月6日まで
クリプトドットコム(Crypto.com)の米国予測市場「OG」を運営するノースアメリカン・デリバティブズ・エクスチェンジ(NADEX)は10月16日(現地時間)、ミズーリ州司法長官と同州ゲーミング委員会の委員を相手取り、ミズーリ州西部地区連邦地方裁判所に提訴した。スポーツの試合結果に賭ける「イベント契約」の停止を求める州の命令に対抗し、州の賭博法を自社の契約に適用しないことの確認判決と恒久的差し止め命令を求めた。
同日、予測市場ノビグ(Novig)の運営会社ラドロー・エクスチェンジもミズーリ州東部地区連邦地方裁判所に同様の訴訟を起こした。ミズーリ州が先月停止命令を送った6社のうち、法廷闘争に踏み切った最初の事例となる。
1カ月前に届いた停止命令書
ミズーリ州のキャサリン・ハナウェイ司法長官は9月17日のプレスリリースで、ポリマーケット、カルシ、クリプトドットコム、ノビグ、アンダードッグ、ロビンフッドの6社に停止命令書を送ったと発表した。スポーツの「イベント契約」をミズーリ州民に提供することは無免許のスポーツ賭博にあたるという理由だ。クリプトドットコム宛ての命令書は9月16日付で、30日以内に従うよう求めた。
命令書が求めたのは3点だ。ミズーリ州ゲーミング委員会の免許を取得すること、州内のスポーツ賭博の総収益に課される10%の税と最大50万ドルの免許手数料を支払うこと、21歳未満の利用者が賭けられないようにすることである。ミズーリ州は2024年の住民投票(修正案2号)でスポーツ賭博を合法化し、2025年12月1日に市場を開いた。
"Companies cannot repackage sports bets as 'event contracts' to avoid Missouri law."(企業はスポーツ賭博を「イベント契約」と言い換えることで、ミズーリ州法の適用を免れることはできない)
キャサリン・ハナウェイ ミズーリ州司法長官
「賭博」か「デリバティブ」か、食い違う主張
ミズーリ州
予測市場のスポーツ契約はミズーリ州法上の賭博にあたる。連邦法は州法に優先せず、スポーツのイベント契約は商品取引所法(CEA)が扱う「スワップ」ではない。免許を取得しなければ法的措置をとる。
OG運営会社
OGは2004年から米商品先物取引委員会(CFTC)に登録された指定契約市場(DCM)であり、CEAはこうした市場での取引についてCFTCに「専属的管轄権」を与えている。州の賭博法は連邦法によって適用が排除され、効力を持たない。命令書も別の法人(フォリスDAX)宛てに送られた。
OG運営会社は訴状で、免許を取得する道も事実上閉ざされていると主張した。ミズーリ州憲法は、賭博船やプロスポーツ球団と結びつかない事業者には直接のモバイル免許を2件までしか与えられず、その2枠はすでに決まっているという。同社は、州が実際に取り締まりに乗り出せば顧客や評判を失うなど取り返しのつかない損害を受けると記した。
CFTCの新たな規則案も訴状に登場
OG運営会社は、CFTCが10月9日に公表した規則案を根拠に挙げた。CFTCは同日、スポーツ・政治・文化・天候に関するイベント契約を「スワップ」に含める規則案を示し、カジノ型の賭博商品をスワップから除外する暫定最終規則もあわせて施行した。
OGという名称は今年2月に初めて登場した。NADEXが既存商品とは別にイベント契約だけを取引するプラットフォームを立ち上げる際にこのブランドを付け、クリプトドットコムも同月に「OG」の開始を発表した。
カルシの控訴審、書面提出は12月6日まで
ノビグは訴状で、ミズーリ州が定めた期限は10月17日だったと明らかにし、判決まで現状を維持するよう求める仮差し止め(予備的差し止め命令)も申し立てた。同じ争点を扱うカルシとアイオワ州の訴訟が第8巡回区控訴裁判所に係属しており、書面提出が12月6日に終わることを理由に挙げた。ミズーリ州の事件も同控訴裁の管轄だ。
連邦控訴裁の判断はすでに分かれている。第3巡回区控訴裁はカルシ側を支持し、第6・第9巡回区控訴裁はカルシに不利な判断を示した。ザ・ブロックによると、命令書を受け取った残る4社(カルシ、ポリマーケット、ロビンフッド、アンダードッグ)は18日時点でミズーリ州の連邦裁判所に提訴していない。