韓国金融当局、海外の無期限先物に警告 違法営業は告発へ

金融委・金融監督院、16日に海外プラットフォームの「無期限先物」の注意事項を発表
レバレッジは10〜200倍、150倍なら指数約0.66%の逆行で全額清算の恐れ
紹介コードで韓国居住者の加入を誘う違法営業は捜査機関に告発
韓国の金融委員会と金融監督院は10月16日、海外の暗号資産取引所などで取引される「無期限先物(パーペチュアル先物)」について投資家に注意を呼びかけた。両機関は韓国時間同日午後2時に出した報道参考資料で、この商品は原資産の値動きに10倍から最大200倍まで連動する超高リスク商品で、国内法による投資家保護を受けられないと明らかにした。海外プラットフォームによる国内での違法営業が判明すれば、捜査機関に告発するとしている。
150倍なら指数0.66%の逆行でも全額清算の恐れ
無期限先物は韓国の証券市場で取引される先物と名前が似ているだけで、仕組みは異なる。金融当局は、この商品が①満期がなく②将来の特定時点での金銭や資産の受け渡しを前提とせず③24時間365日取引されると説明した。多くの国で監督の枠組みがまだ確立されておらず、サービスを制限しているとも付け加えた。
最大のリスクはレバレッジ(借りた資金で投資規模を膨らませる倍率)だ。当局は韓国の株価指数に150倍で連動する商品を例に挙げた。指数が取引時間中に約0.66%逆方向に動いただけで、投資額全額が強制清算される可能性がある。倍率が高いほど追加証拠金を入れる間もなく強制清算され、一瞬で投資額全額を失いかねないという。当局は、こうした投機的な性格から、韓国では同様の商品が制度上認められていないと明らかにした。
バイナンスのSKハイニックス先物、1日20億ドルの取引
海外取引所の韓国株連動商品は今年に入って急速に増えた。バイナンスは6月2日正午ごろ(韓国時間)、SKハイニックス、サムスン電子、現代自動車の無期限先物を相次いで上場した。米国上場の韓国株ETF(EWY)に連動する商品は、それに先立つ3月16日に登場している。バイビットは同じ3銘柄を6月4日に上場し、サムスン電子とSKハイニックスの最大レバレッジは100倍だ。
取引規模も小さくない。韓国時間16日午後3時30分ごろ、バイナンスのSKハイニックス無期限先物の24時間取引代金は約20億4000万ドル、未決済建玉(まだ決済されていない契約の規模)は約4億9000万ドルだった。同時刻のサムスン電子は取引代金約2億5000万ドル、未決済建玉約3200万ドルだった。バイビットのSKハイニックスの24時間取引代金は約1億5000万ドルだった。
破綻や取引停止でも国内法での救済は難しい
金融当局は、韓国のデリバティブ(金融派生商品)には資本市場法に基づく事業者の参入規制と投資家保護の仕組みが適用されるが、海外の暗号資産プラットフォームの大半には国内法の規律が及ばず、同等の保護措置は期待しにくいと明らかにした。
プラットフォームが破綻したり、営業を停止したり、一方的に取引を停止したり、システム・金融事故や紛争が起きたりしても、国内法に基づく解決や救済手続きを適用するのは難しい。顧客の預け入れ資産が適切に保管されているかどうかも、韓国の監督当局は確認しにくい。
名前だけで国内の先物と混同しないこと
韓国の上場デリバティブ市場では、個人が先物・オプションを取引するには一定水準の基本預託金を用意し、事前教育と模擬取引を終える必要がある。金融当局は「先物」という名称だけで、韓国の証券市場で取引される金融投資商品と同一または類似の商品だと誤解してはならないと呼びかけた。
紹介コードで加入を誘えば告発対象
当局が違法営業の例に挙げたのは、紹介コードなどで韓国居住者の新規加入を誘ったり手数料を受け取ったりして取引を勧誘する行為と、海外商品が韓国の株式市場に影響を及ぼす場合だ。金融当局は韓国株式市場に連動する商品の提供状況と国内市場への影響を監視し、韓国市場関連の無期限先物を扱う主要な海外プラットフォームには国内法に違反しないよう協力を要請する。
同様の商品を韓国に導入するかどうかは、市場への影響や投資家保護、海外の規制議論を総合的に考慮して慎重に検討する。今回の資料には金融委の暗号資産課と資本市場課、金融情報分析院の暗号資産検査課、金融監督院の暗号資産監督局と資本市場監督局が名を連ねた。金融委は前日の15日、国内株式市場の下落を受けて「関係機関による株式市場状況の緊急点検会議」を開いている。