アップビット、AI推論網ドルフィン(POD)上場 初値から1分で2倍

アップビット、2日午後4時にPODのウォン建て・BTC・USDT市場で取引開始、対応ネットワークはBaseのみ
初値523ウォンから1分で1085ウォンに、3日夜は996ウォン、24時間取引高は1528億ウォン
コインゲッコー集計でPOD取引高の95%がアップビット、ビッサム・バイナンスには未上場
韓国の暗号資産取引所アップビットは10月2日午後4時(韓国時間)、ドルフィン(Dolphin)のトークンPODをウォン建て・BTC・USDT市場に上場した。取引開始後の最初の1分間で価格は523ウォンから1085ウォンまで上昇した。ドルフィンは、個人が使っていないグラフィックカード(GPU)を集め、AIモデルの回答生成(推論)を分散処理する分散型AIネットワークだ。
買い注文を5分間制限、解除後1分で2倍に
アップビットは2日午後1時37分に告知を出し、先に入出金を開始した。告知に記された上場前の参考価格は前日終値419ウォン、2日午後1時20分時点の相場428ウォンだ。アップビットは取引開始後約5分間、買い注文を制限し、同じ時間は前日終値より10%以上安い売り注文も受け付けなかった。指値以外の注文は約2時間制限した。
買い注文の制限が解けた午後4時5分の初値は523ウォンで、同じ1分の間に1085ウォンまで上昇した後、1000ウォンで引けた。2日の日足(午前9時基準)の終値は755ウォンだった。3日には取引時間中に1131ウォンと上場後の最高値を更新し、午後10時30分ごろは996ウォンで取引された。告知に記された前日終値419ウォンの約2.4倍にあたる。アップビットの直近24時間のウォン建て市場の取引高は約1528億ウォンだった。
遊休GPUでAIの回答をつくる
ドルフィンは、メタのLlama、Mistral、アリババのQwenといった公開AIモデルをファインチューニング(追加学習)して公開してきたチームだ。公式プロジェクトページによると、学習データから拒否や偏った回答をできる限り取り除き、ユーザーの要求を拒否しない、いわゆる「無検閲」モデルをつくっている。ドルフィンはAIサービスのVeniceと共同で「Dolphin Mistral 24B Venice Edition」を開発し、自社モデルはHugging Faceで月500万回以上ダウンロードされているとしている。
ドルフィンのネットワークは、同じモデルを動かすGPUを一つのプールにまとめ、ユーザーのリクエストが届くとその時点で空いているノードに割り当てる。ドルフィンはこれを「Peer-to-Pool」方式と呼んでいる。ノード運営者は処理したリクエスト数に応じてPODで報酬を受け取り、バリデーターは他のノードが指定されたモデルを正しく動かしているかを確認する。ウェブチャットとTelegramボットがこのネットワーク上で動いている。
ネットワーク収入はすべてPODの買い戻しに
ドルフィンはプロジェクトページで「ネットワークが生み出す収入の100%は、自動的に市場でPODを買い戻すために使われる」と明らかにした。ノード報酬として放出される分を買い戻しで相殺する設計だ。ドルフィンは、法人としての株式・持分構造を持たない分散型自律組織(DAO)として運営されていると記している。
PODはステーキングとボンディング(保証金の預け入れ)に使われる。ノード運営者がステーキングしたPODをボンディングすると報酬が最大1.3倍に増え、不正が発覚した場合はボンディングした分を失うことがある。バリデーターになるには約3カ月分の報酬と最低10万PODのボンディングが必要だ。ステーキングとボンディングはいずれも引き出しまでに3カ月かかる。
取引の95%がアップビットに集中
コインゲッコーの集計によると、PODの最大発行量は5億枚で、現在市場に流通しているのは約8361万枚と17%ほどだ。3日夜時点の時価総額は約6240万ドル、完全希薄化後評価額(FDV)は約3億7316万ドルだった。同じ集計で、直近24時間のPOD取引高約1億2400万ドルのうち1億1812万ドル、約95%がアップビットで発生した。残りはBaseチェーンの分散型取引所ユニスワップや、海外取引所のMEXC・LBankなどだ。ビッサムとバイナンスには上場していない。
3日午後10時30分ごろ、海外取引所MEXCでのPOD価格は0.7464ドルだった。アップビットのテザー(USDT)のウォン建て価格1360ウォンで換算すると約1015ウォンとなり、アップビットのウォン建て価格996ウォンの方が約1.9%低かった。
入金前に確認すること
アップビットはPODの入出金をBase(ベース)ネットワークでのみサポートしている。ほかのネットワークで送金すると反映されない。アップビットが対応するコントラクトアドレスは0xeD664536023d8E4b1640C394777D34aBAFF1dF8Fだ。アップビットの入出金可能事業者リストにない取引所からの入金は、トラベルルール(送金人情報の確認義務)により反映されず、返還に長い時間がかかることがある。