アップビット、SANDの投資注意銘柄指定を解除 39日ぶり、入金も近く再開

アップビット、2日午後4時にSANDの投資注意銘柄指定を解除、8月24日の指定から39日ぶり
8月のブリッジ攻撃で1474万SANDが流出、イーサリアム版SANDの発行量は不変
解除翌日、アップビットのSANDは114ウォン、1日終値を86%上回る
韓国の暗号資産取引所アップビットは韓国時間10月2日午後4時、ザ・サンドボックス(SAND)の投資注意銘柄指定を解除した。8月24日の指定から39日ぶりとなる。アップビットは解除の告知で、「サンドボックス側からの説明を通じて、セキュリティ事故の経緯と事後対応に関する資料の提出を受けて検討した」とし、その結果、指定理由が解消されたと判断したと明らかにした。止まっていたSANDの入金も近く再開される。
ブリッジ攻撃から注意銘柄指定まで
ザ・サンドボックスはメタバースゲームのプラットフォームで、SANDはそのゲーム内で使われるトークンだ。問題は、SANDをイーサリアムから他のブロックチェーンへ移す「ブリッジ」で起きた。ザ・サンドボックスが8月27日に公式Xで公開した事後報告書とアップビットの告知によると、経緯は次の通りだ。
- 攻撃者がBaseとBNBチェーンで裏付けのないSANDの発行を開始
- アップビットがSANDの入出金を停止
- ザ・サンドボックスが3チェーンのブリッジをスマートコントラクトレベルで閉鎖
- アップビットが投資注意銘柄に指定(SAND/KRW・SAND/BTC)
- アップビットがイーサリアムネットワークのSAND出金のみ再開
- アップビットが指定を解除
指定時、アップビットは原因が解明されていない、または是正されていないハッキングなどのセキュリティ事故を理由に挙げた。指定期間は9月最終週(9月28日〜10月4日)までとされ、理由が解消されなければ上場廃止もあり得るとしていた。指定当日、アップビットのSAND日足(韓国時間午前9時基準)は61.5ウォンから48.0ウォンへ22%下落した。
イーサリアム上のSANDは無傷
事後報告書によると、攻撃者はBaseとBNBチェーン上のSANDトークンコントラクトにあった利便機能を悪用し、ブリッジの管理者権限を奪った。そのうえでイーサリアムに実際には預けられていないSANDを両チェーンで発行し、一部はBase上の分散型取引所で売却してイーサリアム(ETH)を得た。別の一部はイーサリアム側の保管庫に送り返し、本物のSANDを引き出した。保管庫から流出した量は1474万2341.84 SANDで、当時の価値で約69万7000ドルにあたる。
ザ・サンドボックスは全体の経済的被害を約149万7000ドルと推計し、このうち攻撃者が実際に得たのは98万7000ドルだとした。同社は自社が保有する鍵は流出しておらず、イーサリアムとポリゴンのSANDに影響はなく、イーサリアム版SANDの総発行量30億枚も変わらないと説明した。事故直前にBaseとBNBチェーンへ正規にブリッジしたSANDを保有していたウォレットには、イーサリアム版SANDで1対1の補填を行い、原資はザ・サンドボックスのトレジャリーから充て、新たなSANDは発行しないとしている。被害残高の72%以上は中央集権型取引所2社にあり、その利用者は取引所を通じて直接補填を受けると付け加えた。
解除から1日で86%高い水準に
解除の告知が出た2日午後4時台、アップビットのSANDは65ウォン台から83.5ウォンまで上昇した。翌3日午後2時台には114ウォンをつけ、1日終値の61.4ウォンを86%上回った。1日20億ウォン前後だったアップビットのSAND売買代金は、2日午前9時からの24時間で2295億ウォンに膨らんだ。上昇は海外でも同時に見られ、バイナンスでもSANDは同じ午後4時台に0.0482ドルから0.0613ドルまで上がった。
韓国時間5日午前10時30分、SANDはアップビットで100ウォン、ビッサムで99.67ウォンで取引された。バイナンスの価格(0.07375ドル)をウォンに換算すると約99.2ウォンとなり、キムチプレミアム(韓国の取引所価格と海外価格の差)はアップビット基準で約0.8%だった。同時刻、バイナンスのSAND無期限先物の資金調達率はマイナス0.09%で、ショート(売りポジション)側がロング(買いポジション)側に資金調達料を支払う状態だった。
保有者が確認すべきこと
アップビットはSANDの入金を近く再開するとし、入金が止まっていた間の入金分は再開後に順次反映されると明らかにした。アップビットで入出金されるSANDはイーサリアムネットワーク基準だ。アップビットは、入金再開時に海外取引所との価格差で価格が大きく変動する可能性があると警告した。ザ・サンドボックスは事後報告書で、追って案内があるまでBaseとBNBチェーン上のSANDを買わないよう呼びかけた。両チェーンには裏付けのないSANDが339兆枚以上残っており、表示される価格は実際の価値ではないという理由だ。同社はまた、トークンを取り戻すと言って先に連絡してくる者はすべて詐欺だとしている。