EU、USDCを初の「重要ステーブルコイン」に指定 11月からEBA監督

EBA、EUで届け出られた電子マネートークン45銘柄のうちUSDCを初めて「重要」に分類
11月12日から準備資産・自己資本はEBA、ガバナンスはフランスACPRが監督
準備資産に対し3%の自己資本、6カ月ごとに準備資産の外部監査
欧州銀行監督機構(EBA)は、サークル(Circle)のドル建てステーブルコインUSDCを、EUの暗号資産市場規則(MiCA)上の「重要な電子マネートークン(significant e-money token)」に分類した。EBAは10月14日に公表したプレスリリースで、MiCAに基づきEUで届け出られた電子マネートークン45銘柄のうち、重要トークンに分類されたのはUSDCが初めてだと明らかにした。11月12日からUSDCはフランスの監督当局とEBAが共同で監督する。
3つ以上の基準に該当すれば「重要」
MiCAは、ドルやユーロのように単一の法定通貨に価値を連動させたステーブルコインを電子マネートークンと呼ぶ。規則第56条は、第43条に定める基準のうち3つ以上を満たした場合、EBAがそのトークンを重要トークンに分類すると定めている。基準には、保有者1000万人超、発行額・時価総額50億ユーロ超、1日平均の取引件数250万件・取引額5億ユーロ超、国際的な決済・送金での利用度、金融システムとの相互連関性、同じ発行体が別のトークンを発行しつつ暗号資産サービスも提供しているかどうかなどが含まれる。
重要性の判断に用いる指標は、欧州委員会の委任規則(2024/1506)が定めている。分類は一度で終わらず、EBAが毎年見直す。
準備資産はEBA、ガバナンスはフランスが監督
欧州でUSDCを発行するサークル・インターネット・フィナンシャル・ヨーロッパ(Circle Internet Financial Europe SAS)は、これまでフランス健全性監督破綻処理機構(ACPR)単独の監督を受けてきた。11月12日からは監督権限が分かれる。自己資本、準備資産、流動性要件、再建・償還計画はEBAに移り、ガバナンス、大株主、役員の適格性審査、外部委託、利益相反はACPRに残る。両機関は移行の過程で緊密に協力するとしている。
EBAは重要トークンの発行体ごとに監督カレッジ(supervisory college)を設け、自ら議長を務める。EBAの説明によると、日常的な監督は主にEBAの事務所で資料を受け取って行うオフサイト方式で、発行体への立ち入り検査は毎年対象とリスク分野を定めて実施する。欧州の暗号資産サービス事業者は顧客が保有するトークン数量を毎日発行体に報告し、発行体はそれを四半期ごとにEBAへ提出する。第3四半期分の発行体の提出期限は11月11日で、二重監督が始まる前日にあたる。
重要トークンの発行体には、より厳しいルールが課される。MiCA第58条と第45条によると、発行体は準備資産の平均額の3%を自己資本として確保し、流動性管理方針を整えなければならない。準備資産に対する独立監査も、重要トークンに分類された日から6カ月ごとに受ける必要がある。
米ニューヨーク州の監督当局とも情報交換
USDCは米国ではサークル・インターネット・フィナンシャル(Circle Internet Financial, LLC)が発行している。EBAは、国境をまたぐステーブルコインの活動に対応するため、米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)と情報交換・協力に関する覚書を結んだと明らかにした。
サークルは2024年7月1日、ACPRから取得した電子マネー機関ライセンスに基づき、USDCとユーロ建てステーブルコインEURCのMiCA準拠での発行を始めた。当時サークルは、MiCAの要件を満たした初のグローバルなステーブルコイン発行体だとしていた。コインゲッコーの集計によると、USDCの時価総額は15日午前時点で約726億ドルだ。
韓国での売買代金はテザーの1.5%
USDCはアップビットとビッサムのウォン建て市場の両方で取引されている。韓国時間15日午前10時30分ごろ、アップビットで1358ウォン、ビッサムで1356ウォンで取引された。同時刻のバイナンスでは1.0011USDTで、ウォン換算で約1341ウォンとなり、キムチプレミアム(韓国の取引所価格と海外価格の差)はアップビット基準で約1.2%だった。直近24時間の売買代金はアップビットが約11億9000万ウォン、ビッサムが約12億2000万ウォンだった。同期間のアップビットのテザー(USDT)ウォン建て市場の売買代金約819億ウォンと比べると1.5%程度だ。サークルのユーロ建てステーブルコインEURCもアップビットのウォン建て市場に上場している。