フランクリンのファンド、XRPレジャーで1.5億ドル増 1ウォレットに集中

22日にsgBENJI約7218万口ずつ2回発行、申込額は合計1億5000万ドル
XRPL上の全1億9270万口は、署名アドレス8つで管理される1ウォレットに
ウォレットの持ち主は非公開、フランクリン・テンプルトンは回答せず
米資産運用会社フランクリン・テンプルトンのシンガポール籍トークン化マネー・マーケット・ファンド(MMF)の持ち分が、XRPレジャー(XRPL)上で一日で1億5000万ドル分増えた。XRPLの台帳記録によると、同ファンドのトークン「sgBENJI」約7218万口ずつ2回分が10月22日にひとつのウォレットへ発行され、このウォレットの保有量は4833万口から1億9270万口へと4倍近くに膨らんだ。
sgBENJI 1トークンは「フランクリン・オンチェーン米ドル短期MMF」の1口を表す。同ファンドはシンガポールの変動資本会社(VCC)のサブファンドで、米国債などの短期ドル建て債券やコマーシャルペーパー、銀行預金で運用する。取締役会は分配を行う予定はないとしており、利息収益は1口あたりの基準価額に積み上がる。
申込の受領証2枚、翌日にファンド持ち分へ
台帳には手順がそのまま残っている。ファンドの発行アカウントは韓国時間21日午後4時38分ごろ、受け取り側のウォレットに「申込現金の受領証(SUBSCRIPTION_CASH Receipt)」トークン2枚を送った。トークンに付いたメタデータにはそれぞれ7500万ドルと別々の取引参照番号が記されている。
持ち分を表すトークンは翌日に発行された。発行アカウントは22日午前に受領証トークン2枚を回収(クローバック)し、午前11時58分と午後1時13分の2回に分けて、それぞれ7218万4793口の持ち分トークンをウォレットに発行した。7500万ドルをこの口数で割ると1口1.039ドルになる。入金をまず受領証として記録し、受領証を消してから持ち分を渡す仕組みだ。
XRPL上の全量をひとつのウォレットが握る
今回の発行で、XRPL上のsgBENJI流通量は1億9269万8410口となり、そのすべてが同じウォレット(rDvuE3…uVE2)にある。このウォレットは8月31日に作られ、9月2日に967口、9月10日に4832万7856口を受け取った後、今回再び大きく増えた。1口1.039ドルで換算すると、全体の評価額は約2億ドルになる。
ウォレットの持ち主は台帳だけでは分からない。このウォレットは秘密鍵ひとつでは動かせず、登録された署名アドレス8つのうち2つが共に承認しないと取引できない。コインデスクは発行アカウントも同じ8つの署名アドレスを使っていると伝え、このウォレットが単一の投資家のものなのか、複数の投資家の資産をまとめたものなのかは明らかでないと報じた。コインデスクによると、フランクリン・テンプルトンは問い合わせに回答しなかった。
誰でも持てるトークンでもない。sgBENJIは発行体が認めたウォレットしか受け取れず、発行体が残高を凍結したり取り戻したりできる設定になっている。ファンドの商品概要書は、株主名簿をブロックチェーンの記録と「台帳上のウォレットアドレスを実際の身元と結び付ける」オフチェーン情報とで管理すると記している。現在使っているブロックチェーンはステラとXRPLの2つだ。
1年前にDBS・リップルと組んだRLUSD交換の枠組み
同ファンドは2025年9月18日に設定された。同じ日、シンガポールのDBS銀行、フランクリン・テンプルトン、リップルは覚書を交わし、sgBENJIをXRPLで発行してDBSデジタル取引所(DDEx)にリップルのドル建てステーブルコインRLUSDと並べて上場させることにした。適格な機関・プロ投資家がRLUSDとsgBENJIを24時間交換できるようにし、DBSがsgBENJIを担保に資金を貸し出す方策も検討するという内容だった。
「This collaboration represents a meaningful advancement in the utility of tokenised securities.(今回の協力は、トークン化証券の活用の幅を広げる意義ある前進だ)」
ロジャー・ベイストン フランクリン・テンプルトン デジタル資産責任者(2025年9月)
アップビットのXRPは1722ウォン、キムチプレミアム1.3%
sgBENJIの取引はXRPの価格と直接にはつながっていない。ただし、XRPLで取引する際の手数料はXRPで支払う。XRPは韓国時間24日午後5時30分ごろ、アップビットで1722ウォンで取引された。前日終値より0.9%低い水準だ。同時刻のバイナンスでは1.2835ドルと24時間で3.2%下げ、ウォン換算したバイナンス価格よりアップビット価格が1.3%高かった(キムチプレミアム=韓国の取引所価格と海外価格の差)。リップルのステーブルコインRLUSDはアップビットのウォン建て市場でも取引されている。