ムーディーズ、リップルのRLUSDにA2格付け コインベースも取引開始

ムーディーズ、27日にRLUSDへ長期A2・短期P-1の預金格付けを付与
発行体SCTCは準備金を発行量の103%に保つことを目標としている
コインベース、28日から米国顧客向けにRLUSDの取引・管理に対応
米格付け会社ムーディーズ・レーティングスは10月27日付の格付け発表で、リップルの米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」に長期A2、短期P-1の預金格付けを付与したと明らかにした。翌28日には、リップルとコインベースが米国の個人・機関顧客によるRLUSD取引の開始を発表した。リップルが26日に米通貨監督庁(OCC)から国法信託銀行の最終認可を受けてから、1〜2日のうちに相次いだ動きとなる。
A2はムーディーズの長期格付けで上から6番目の段階にあたり、投資適格に入る。P-1は短期格付けで最も高い段階だ。ムーディーズは短期格付けを長期のA2に合わせて決めたと説明した。
準備金の大半はBNYが保管
RLUSDを発行するのは、リップルの子会社スタンダード・カストディ・アンド・トラスト・カンパニー(SCTC)だ。ムーディーズは、準備金資産の信用力と市場価値、準備金比率、流動性と償還の仕組み、準備金の分別管理、運用・技術・法務・規制面の要因を評価したとしている。
ムーディーズによると、準備金は大半が満期の短い米国債などの政府資産と現金で、その大部分をカストディアンのBNY(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン)が保管している。ムーディーズはBNYにAa1(cr)を付与している。カストディアン以外の預金機関に置く現金は5000万ドルが上限で、これを裏付けるため同額の短期米国債をBNYの別口座で分けて保有している。SCTCは準備金を発行量の103%に保つことを目標としており、ムーディーズはこの比率がA2格付けに必要な最低水準を上回ると評価した。
償還の対象は、審査を経た機関保有者だ。SCTCは要件を満たす償還請求を受けてから2営業日以内に額面で償還しなければならない。ムーディーズは、SCTCが毎週流動性ストレステストを行い、毎月外部の公認会計士による確認を受けているとも付け加えた。
格付けの対象はXRPレジャーとイーサリアムのネイティブ発行分のみ
ムーディーズは、今回の格付けがSCTCがXRPレジャーとイーサリアムで直接発行したRLUSDにのみ適用されると明記した。弱点も挙げた。SCTCは倒産隔離された特別目的会社ではなく、RLUSD保有者は準備金に直接の所有権を持たない。SCTCが破綻した場合、破産手続きに伴う自動停止(オートマティック・ステイ)により償還が2営業日より遅れる可能性があるとしている。
ムーディーズは、準備金の分別管理とニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の監督がこうしたリスクを和らげるとみている。2027年に施行される米ステーブルコイン法(GENIUS法)は、発行体が破綻しても法定準備金を破産財団から除外する内容を含み、保有者保護をさらに強めると説明した。一方、準備金の質や比率が低下した場合や、信用力の低いカストディアンが新たに加わった場合、発行・焼却(バーン)や適時の償還に支障をきたす重大な運用・技術・サイバーセキュリティ上の障害が起きた場合には、格下げもあり得るとした。
コインベースのアプリで1対1の交換
コインベースは28日から、機関向けのコインベース・プライム、コインベース取引所、個人向けのコインベースアプリでRLUSDの売買と保管ができるようにした。米ドルやコインベースが対応する他の米ドル建てステーブルコインからRLUSDへ1対1で交換できる。入出金ネットワークはXRPレジャー、ベース、イーサリアムの3つ。リップルはコインベース系ブロックチェーンのベースでRLUSDの流動性を供給するとした。コインベース・グローバル取引所の顧客への提供とRLUSDの担保利用は今後開始するという。
「規制に準拠した高品質なステーブルコインへの機関の需要は明らかだ。課題は、機関がすでに信頼し利用しているプラットフォームで手軽に使えるようにすることだ」
ジャック・マクドナルド リップル ステーブルコイン担当上級副社長
コインベース・インスティテューショナルのブレット・テジポール共同最高経営責任者(CEO)は、RLUSDの追加は顧客が1か所で戦略に合った資産を選べる「エブリシング・エクスチェンジ」に向けたさらなる一歩だと述べた。リップルは、2024年12月に発行を始めたRLUSDの時価総額が24億ドルを超えたとしている。
アップビットでRLUSDは1343ウォン
韓国ではRLUSDがアップビットのウォン建て市場に上場している。韓国時間28日午後10時35分時点で、アップビットでは1343ウォン、ビッサムでは1341ウォンで取引された。同時刻のアップビットのテザー(USDT)は1341ウォンだった。バイナンス価格をウォンに換算すると約1329ウォンで、アップビットの価格が1.1%ほど高かった。アップビットのRLUSDの24時間取引代金は約1358万ウォンにとどまった。XRPは同時刻、アップビットで1769ウォン、バイナンスで1.318ドルで取引された。