スレッショルド、tBTCの発行・償還を一時停止 Aaveは担保を凍結

スレッショルド、韓国時間31日午前7時35分ごろtBTCの新規発行・償還受付の一時停止を告知
Aave、同日午後7時1分にイーサリアムコアのtBTCリザーブを凍結
Aaveに預けられたtBTCは1762枚、総発行量4185枚の約42%
ビットコインと1対1で連動し、イーサリアム上で利用できるトークン「tBTC」の発行と償還が止まった。tBTCを運営するスレッショルド・ネットワーク(Threshold Network)は韓国時間10月31日午前7時35分ごろ、公式Xで「セキュリティ保守が完了するまでの予防措置として」、スレッショルドのアプリを通じたビットコインの新規入金・tBTC発行と、ビットコイン償還の新規受付を一時停止したと明らかにした。再開時期は決まっていない。
tBTCはビットコインを預けると同量のtBTCをイーサリアム上で受け取り、tBTCを返すとビットコインを取り戻せる仕組みだ。スレッショルドは、処理中の償還はビットコイン側で引き続き支払われる可能性があるものの、イーサリアム側の最終決済が止まっており、一部の取引が遅れる場合があると告知した。既存のtBTCの保有・送金・利用には影響しないとしている。
以前の入金アドレスには送らないよう呼びかけ
スレッショルドは停止期間中、以前に生成した入金アドレスにビットコインを送らず、別のインターフェースから入金・発行・償還を試みないよう求めた。すでに入金した場合は入金レシートとトランザクションハッシュを保管し、保留状態を解消しようと同じ取引を繰り返さないよう呼びかけた。進行状況はアプリのエクスプローラー(Explorer)で引き続き確認できる。
スレッショルドは何を点検しているのか、攻撃の試みがあったのかは明らかにしていない。再開予定時刻を含む確定情報は公式チャネルで知らせるとだけ述べた。
担保に使われていたtBTC、新規預け入れ不可に
tBTCが最も多く集まっているのはレンディングプロトコルのAaveだ。Aaveのリスク管理を担うラマリスク(LlamaRisk)は、スレッショルドの告知を受けてイーサリアムコアマーケットのtBTCの予防的な凍結を提案し、緊急権限を持つガーディアンのマルチシグが韓国時間31日午後7時1分に凍結を実行した。イーサリアムのブロックチェーン上にもこの時刻の凍結取引が記録されている。
凍結によりtBTCの新規預け入れはできなくなり、tBTCを担保とする新規借り入れの担保掛目(LTV)は0%に設定された。ラマリスクによると、返済・引き出し・清算はこれまで通り可能だ。清算基準(78%)は変わらないため、凍結だけで既存の借り入れのヘルスファクターが変わることはない。ほかの資産やマーケットは今回の措置の対象外だ。
31日夜のブロックチェーン記録では、Aaveのイーサリアムコアに預けられたtBTCは1762枚で、イーサリアム上で発行されたtBTC4185枚の約42%にあたる。バイナンスのビットコイン価格(約7万7475ドル)で換算すると約1億3650万ドル相当だ。借り出されているtBTCは約2.6枚にとどまる。BaseとArbitrumのマーケットのtBTCは、以前に実施された別の資産整理に伴い、すでに凍結されていた。ラマリスクはtBTCの運用が正常化すれば、元に戻す案を提出するとしている。
5月にも裏付けのない発行の試みを阻止
スレッショルドがセキュリティを理由に機能を止めたのは初めてではない。スレッショルドが6月4日に公開した5月のまとめによると、5月18日にビットコインを預けずにtBTCを発行しようとする試みがあったが失敗し、不正なtBTCの発行や利用者の損失はなかった。当時スレッショルドは、承認済みの運営者が先にtBTCを発行していた高速発行経路(オプティミスティック・ミンティング)を「追って通知するまで」停止した。以降、すべての発行はビットコイン側の取引証明を確認する標準経路で処理され、発行にかかる時間は6〜7時間程度に延びた。
tBTCは韓国のウォン建て市場には上場していない。スレッショルド・ネットワークのガバナンストークンT(Threshold)はアップビットとビッサムのウォン建て市場に上場しており、韓国時間31日午後8時32分にアップビットで6.19ウォンで取引され、前日終値より1.6%高かった。同時刻のビッサムは6.137ウォンで、バイナンス価格(0.00464ドル)をウォンに換算すると約6.19ウォンとなり、韓国と海外の価格差はほとんどなかった。